小川三知のステンドグラス修理


3枚のパネルを1枚に合体さた修復後のステンドグラスパネル

この作品は、個人が旧宅で所有されていた昭和初期の小川三知の作品です。
新築に伴い小さな3枚のステンドグラスをメンテナンスし、1枚に合体してリメイクしたモノです。

小川三知について

小川三知は、日本を代表する有名なステンドグラス作家です。
東京美術学校日本画科出身の三知は、明治33年にアメリカに留学して帰国後、日本にステンドグラスを広めた作家として有名な人物です。

小川三知独特の日本的なデザインのステンドグラスは数多く残されており鳩山記念館 慶応大学図書館 国立科学博物館 小笠原伯爵邸等が代表作品です。

  • 修復前の画像

    修復後の画像

鉛線ケイムは劣化しており、割れたガラスが数カ所あり、背景のクリアガラスは、ヤニで赤茶けています。
メインの花の部分のガラスは、小川三知の作品の特徴でもある、オパールセントガラスを使用しています。

  • 今回の修復に当たり、小川三知の技法を次世代に残すために、現状の鉛線ケイムを出来る限りそのまま残し、
    接合部分のちぎれを補修し、割れたガラスを新しく交換する方法を取りました。
    強度を考慮し、最終的には、H型の真鍮を使い、3枚のパネルを1枚に合体させています。
  • 凸凹のあるガラスに付着した汚れ(ヤニ)は、高圧洗浄機で取り除き、本来のクリアガラスの美しさが蘇りました。
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